ヒガンバナ

風が吹く 祈りの中で
幾度見た その景色
物言わぬ 瞳の奥で
赤い草原が揺れている

土にしみとけゆく 人の願い かけら
残された思い出さえも
真火にまかれ消えゆく

空知らぬ雨を 抱き天へ 手を差し伸べ 花は咲く
けれど安らぎへと帰る日は未だ遠く遠い